大根の旬は一般的に冬だと思われています。それは寒くなると大根が自分の身を守るために出す成分が甘みとなって煮物などに適するからです。しかし最も成長が早くなるのはやはり寒い時期よりもこの夏です。大根の出荷量が増え、値段も安くなります。ですから味が人間の好みに合う時期を旬とするならば冬かもしれませんが、たくさん採れる時期を旬とするならば夏とも言えると思います。この時期の大根は冬よりも少しだけ辛味が感じられるため、大根おろしには最適です。また暑さで体力が落ちやすいこの時期、少し辛味がある方が食欲が刺激されて良いのではないでしょうか。
お肉のステーキに比べて低カロリーで、油脂も少ないながらもボリュームたっぷりで満腹感を得ることができます。伝統的和食献立とは少々カラーが異なりますが、最近は和食でもステーキ系のお肉が献立に登場しつつありますので、精進料理献立のメインディッシュとして試みてもおもしろいのではないでしょうか。
1 大根300gを厚めの輪切り2枚にし、皮をかつらむきにしてフチを面取りします。食べやすいように、片側に隠し包丁を2センチくらい十字型に入れておきます。
厚みの半分くらいまで包丁の切れ目を入れます。
2 途中裏返しながら、水からゆでます。
煮崩れる寸前まで柔らかく煮れば、とろけるようなステーキになりますし、堅めの食感が好みなら串がやっと通るくらいでやめておきます。
3 エリンギ50gを食べやすい大きさに切ります。
4 いんげん30gのへたをとりのぞき、食べやすい長さに切ります。
5 大根100~150gを皮ごとすりおろします。
6 酒大さじ2、みりん大さじ1、砂糖小さじ2、しょうゆ大さじ2を混ぜておきます。甘めのタレが好みなら砂糖を大さじ1に増量、甘いのが嫌なら小さじ1に減量します。
7 フライパンに油小さじ2を敷いて中火で加熱し、3と4を炒めます。
油が回ったら酒大さじ1としょうゆ小さじ1を加え、弱火に落として炒め煮のような状態にして火を通します。
酒がほとんど蒸発したら別の容器によけておきます。
8 そのままのフライパンに、煮汁を切った大根を入れて表裏横を弱火~中火で焼きます。
9 全体に油と焼き色が付いて香ばしくしたら、6のステーキソースを加えて強火で加熱します。
10 沸騰したらおろしを2/3ほど加えます。ソースをからめるように混ぜ、水分が半分くらいに煮詰まったらうつわに盛り、おろしの残り1/3を載せ、7の野菜を添えます。今回はとうもろこし50gも添えました。