豆腐を作る際、ふやかした大豆を蒸すかゆでるかした後に細かくしたものを「呉」と呼びます。
その「呉」を入れた汁を「ご汁」と呼びます。
日本各地にいろいろな「ご汁」の作り方が伝承されており、大豆だけが具のものから、野菜たっぷりの中に大豆が加えてあるものまでさまざまです。
また大豆をどの程度細かくするかもいろいろで、豆乳のようにドロドロにすりつぶす場合もあれば、あまり細かくせずにざっくりと刻む場合もあります。
今回は具だくさん、大豆は水煮を使用し、食感を生かすためにあまり細かくしない程度に刻みます。
具はレシピ通りにする必要はなく、残った野菜や、料理で出た野菜の皮やヘタなどを無駄にしないように加えて使い切ります。芯でも良いので、キャベツを多めに使うと甘味が出ます。
通常のけんちん汁はつぶした豆腐を加えますが、豆腐の代わりに刻んだ大豆を使ったご汁風けんちん。ほんの少しのしょうゆだけで、大豆からダシが良く出た重厚な汁ができあがります。
単に「ご汁」と名付けても良かったのですが、大豆の量よりも残った野菜を多めに使ったため「ご汁風」のけんちん汁としました。大豆が全体の2/3程度ならば、ご汁と呼んでも差し支えないでしょう。
1 水400mlに干し椎茸1枚、昆布3gを1時間以上浸ける。
2 かぶ50g、蓮根30g、キャベツ30g、ゴボウ10gを食べやすい大きさに切る。
蓮根とゴボウは水に浸けておく。
3 1の干し椎茸、昆布を細切りにする。
4 水煮大豆50gをみじん切りにする。
5 鍋にごま油小さじ1弱を敷き2~4を炒めて1のダシを加え、酒大さじ2、
しょうゆ大さじ1、塩少々で味付けする。