ご飯の炊き方の基本

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ご飯の炊き方基本

典座ネットブログ2017.7.9の記事

お米を研いで、ご飯を炊く。

和食の基本ですが、典座をしていると、今までの人生で一度もやったことがないという修行僧もかなりいました。独り暮らしの場合はお釜で少量炊くよりも、安価な冷凍パックや市販のお弁当などの方が便利で効率も良いため、もはやご飯を炊けることが社会常識とはいいにくい時代なのかもしれません。
しかし精進料理に欠かせない基本中の基本です。意外と知らない点もあるかもしれませんので、料理になれた人も是非お読み下さい。

ご飯の美味しい炊き方

まずは正確に計量します。これはどんなベテランでも目分量ではなくしっかり計量しましょう。なお、このカップは1合(180ml)のものと、200mlのものと、最近は無洗米用に少し小さい170mlくらいのものの3種がありますのでご注意下さい。一般的には、お米を量るには1合(180ml)のものを使います。1合用のカップのすりきりいっぱいまで入れてボールに移します。あまり少ないとわかりにくいので、今回は2合炊きますのでこのカップ二杯分です。

また、直接お釜にお米をいれて研ぐ方もいますが、それはお釜のコーティングが早くはげてしまうのでやめてくださいと注記しているメーカーがほとんどです。傷めないように少量を軽く研げるなら自己責任となりますが、できるだけボールで研いでからお釜に移す方が道具が長持ちします。

ご飯の美味しい炊き方

ここが大きなポイントですが、水道から直接水をそそぐのではなく、何か大きな容器に水をたっぷり貯めて、一気にボールに水を注ぎます。

それまで乾燥していたお米は、水に触れると急速に水を吸い込みます。そのとき、ぬかの成分(研いだときに白くなる、お米に付着している成分)を水と共に吸い込んでしまい、ぬか臭さが強くなってしまいます。それを防ぐために、はじめは多めの水を注いだら軽くササッと数度混ぜる程度で水が白く濁るのでなるべく時間をかけずにはじめの水を流し、新しい水に取り替え、同じことを2~3回繰り返します。

都会の水道は、水の勢いが弱いことがあるため、あらかじめ容器に水をためておき、時間をかけずにたくさんの水を加えることができるようにするのです。蛇口からでる水の量が多い家では、直接そそいでもかまいません。とにかく、はじめに水を注いでから二~三回水を替えるまでは、大急ぎで行うことがポイントです。

ご飯の美味しい炊き方

水を注いだらジャバジャバっと混ぜるくらいの感じでも水が濁ります。

ご飯の美味しい炊き方

真っ白になったとぎ汁。すぐに取り替えます。なお無駄に捨ててしまうのでは無く、とっておいて下ゆでなどに使ったり、植物にあげたりすると良いでしょう。

ご飯の美味しい炊き方

2回目の水も、なるべくささっと混ぜて取り替えます。まだまだ真っ白です。早くしないとぬか臭さを吸い込んでしまいます。

ご飯の美味しい炊き方

3回目を終えると、だいぶ水の濁りも薄くなってきました。このあたりになると、ある程度お米が水を吸ったため吸水スピードも穏やかになってきます。ここからはあまり急がず、きちんと研ぎ始めます。(ここまでは、スピード重視で、混ぜる感じ。これからが、研ぐ感じです)

ご飯の美味しい炊き方

研ぐ際は、お米をボールのフチに手のひら全体でこすりつけるようにします。ただ、今のお米は昔と違って精米歩合が高く、また機械乾燥のため崩れやすいので、あまり力をこめてギュッギュッと研ぐとお米の身が崩れてボロボロになってしまいます。水を流す際にザルの底に細かいお米のかけらがたくさん残るようでは力の入れすぎです。おばあちゃんに教わった研ぎ方は、あまりお薦めできません。お米が壊れない程度に、優しく研ぐようにします。お米がくずれないように工夫された「研ぎ棒」を活用すると、冬の水が冷たい時期には便利です。

なおちょうど良いサイズのザルがあれば、ザルとボールを重ねてザルの中で研ぐのも水切りがしやすいです。でもちょうど良い網の大きさのものを使わないと網からお米が抜け出てしまいますし、お米が崩れやすいのでご注意下さい。

ご飯の美味しい炊き方

何度か水を替えて研ぐと、上のように水が澄んできます。あまり神経質にならないよう、少しは白くても大丈夫です。

ご飯の美味しい炊き方

次の重要ポイントは、お米をザルにあげて15~20分おいておくことです。

水に浸けたままよりも、芯まで均等に、ゆっくり吸水させることができてふっくら仕上がります。この時間が足りないと、吸水不足で芯が残った炊きあがりになってしまいます。

なお夜にタイマーでセットして翌朝炊く場合などは、研いだらそのまま水加減してフタをしめてしまっても良いのですが、やはり一度ザルにあげて吸水させてからあらためて水加減した方が美味しく仕上がります。

ご飯の美味しい炊き方

吸水させたらこぼさないように注意してお米をお釜に移します。

ご飯の美味しい炊き方

お釜の目盛にあわせて、水加減します。

昔は、新米は水分が多いので水を少なめ、古米ほど水気が抜けるので水を多めに、といいました。今もそれが基本ですが、加工技術と保存技術が良くなったため、一概にそれが通じない場合が増えたように思います。むしろ、新米か古米かよりも、家庭での保存状況の方が大きく関わってきます。つまり買って開封したばかりのものと、使い切るころでは確かに水気が変わってきます。

そこで、はじめのお米の計量が重要になってくるのです。目分量でなく、きっちり計ってから研ぐことで、今日はちょっと水っぽかったな、と思ったら翌日は少し水を減らして炊飯することができ、カンではなく実効ある対応ができるのです。目分量だと、水量の調整ができませんからね。

ご飯の美味しい炊き方

なおどうしても計量できない場合は、3合以内だったらお米の量から水面が指の太さくらい上まで水を入れればまあ大体失敗はしないはずです。

最新のお釜は、少しくらい水の量がいいかげんでもちゃんと炊いてくれますが、そうはいっても少なすぎれば芯が残って失敗するし、多ければビチャビチャになるし水加減をおろそかにしてはいけません。

ご飯の美味しい炊き方

炊きあがったら、すぐにフタを開けずに15分以上、できれば30分近く蒸らします。加熱が終わった後も、余熱で炊飯は続いているのです。

ご飯の美味しい炊き方

炊いたばかりのご飯は、上の写真のようにビッチリしすぎています。このままだと下部の余計な熱がこもってしまうので、全体を(底から)ふんわりかき混ぜるようなイメージで、ほぐします。これによって下部の不要な熱が抜けて食感がよくなります。なおいつまでも開けていると冷めてしまいますし、あまりコネコネすると粘りが出てベトベトになってしまいますのでご注意下さい。

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