新生姜の煮物

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典座ネットブログ2009.6.27の記事

もうまもなく7月です。いよいよ暑い夏本番ですね。

拙寺は群馬の高地にあるため、まだ朝晩は長袖でないと肌寒く感じることもあるくらいで、日中以外は過ごしやすいのですが、先日ご本山である神奈川県鶴見の大本山總持寺に一泊した際、朝から気温と湿度がかなり高く、朝の法要の時点でもうすでに汗びっしょりになってしまいました。都心近郊の皆様はすでに夏の暑さの中で日々過ごされていることと思います。

この時期、お経を読む際に欠かせないのがミニタオル。和尚は暑いからといって半袖シャツで読経するわけにはいきません。何枚も法衣を重ね着して、腹の底から声を出すと、どうしても額に汗が浮かんできます。

特に汗かきな私は、この時期は自宅で洗濯可能なナイロン製の法衣を愛用しておりますが、法要の内容によっては、どうしても絹の法衣を着なくてはならないこともあります。
やはり絹の法衣は光沢も重厚感も素晴らしく、見栄え的にも法要の雰囲気が引きしまるような気がしますが、絹は汗が染みたり、ポタリと垂れたりするとすぐに染みになってしまうのです。そのため、額の汗を頻繁に拭かねばなりません。
法衣の袖に必ずタオルをしのばせて法要に臨みます。
皆さんも、この時期お仕事中額に汗を浮かべておられるのではないでしょうか。

そんな暑い夏を乗り切るにはまずしっかりとした食事が大切になりますが、暑いと食欲が落ち、ついつい手軽なサラッとした料理ばかりを好みがちです。しかし冷たい手軽な料理ばかり続いたのでは、いわゆる夏バテになってしまいます。
そこで、今回は暑い夏でも食欲がわいてくる、ショウガ風味の煮物をご紹介します。

お豆腐やお刺身の上におろし生姜をちょっと載せて食べたりと、日常の食卓でもおなじみのショウガですが、ショウガは東洋ではかなり古くから使われた食材で、中国では紀元前5世紀には漢方薬として大切にされていたと言われています。辛みと香りの成分に薬効があり、今でも風邪の初期症状にはショウガが一番という民間療法もあるほどです。

血行を良くして体を暖め、咳止めの効能もあるために、現在でも禅寺では、寒さが厳しい冬の坐禅の際には、すりおろしたショウガをハチミツと共にお湯で溶いた「生姜湯(しょうがとう)」を皆で飲む習慣があります。

また、生姜の辛み成分と独特の香りが食欲を刺激し、消化液の分泌を助け新陳代謝を活発にさせるため、食欲が落ちがちな夏にはピッタリの食材です。
しかも生姜には殺菌作用があるため、料理が傷みやすくなる夏には、家庭料理に積極的に用いるべきだと思います。

白く柔らかな皮で包まれ、先がピンク色なのが、6~8月頃に収穫される新生姜。それを土に埋めて貯蔵したものが、皮が固い黄土色の根ショウガで、いわゆる普通のショウガです。根ショウガの方が辛みは強くなるため、おろし生姜として用いるには根ショウガが適しますが、今回のように煮物に用いるには根ショウガは辛すぎるため新生姜が良いでしょう。

新生姜の煮物

1 新生姜50gを布たわしなどでよくこすり、皮をきれいにする。
皮付きのままなるべく薄い輪切りにし、水に5分ほどさらす。

2 厚揚150gに熱湯をかけて油抜きし、
食べやすい大きさに切る。

3 ゴボウ50gをたわしでよくこすり、皮をきれいにして
食べやすい大きさに切る。

4 1~3を小鍋に入れ、昆布ダシ250ml、酒50ml、みりん15ml、砂糖5ml、しょうゆ15mlで
火が通り煮汁がほぼ無くなるまで弱火で煮る。

5 二十日大根(はつかだいこん)の皮を洗い、
食べやすいように切れ込みを入れ、熱湯で30秒ほど
さっとゆでて2分ほど水にさらし、塩をさっとふって色どりに添える。

※写真では、わかりやすくするために厚揚とゴボウ、新生姜を分けてもりつけてありますが、
ご家庭では無理に分けず、混ざったまま盛りつけて食べた方がおいしいです。
※今回はたまたまはつかだいこんが手元にあったため添えましたが、無理に無くても良いです。

夏にピッタリの新生姜の煮物、見栄えは地味ですが是非一度おためし下さい。ショウガの辛さと香りで食欲増進、ついついご飯が進みます。
少し多めに作り、自然に冷めてからタッパに入れて冷蔵庫で保存して、食べる分だけチンすれば2~3日は大丈夫です。夏の常備菜としても最適です。
なお具は写真以外のものでも大丈夫です。お好みの野菜を自由に使ってください。

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