とうがんのくず煮

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典座ネットブログ2014.7.24の記事


鮮やかなエメラルドグリーンが美しい煮物。口にするとトロリと舌の上でとろけるような柔らかさが広がります。

梅ペーストを使った料理が続いたため、この辺でそれ以外の夏の食材を紹介します。
それは「とうがん」。
漢字で書くと「冬瓜」のため、冬の食材だと勘違いしている人が多いようです。
意図は不明ですが、実際にある名の通った典座和尚さんが通年連載で冬に冬瓜を扱ったことがありました。名前の由来は、まるごとのままなら冬まで保存できるほど長持ち、といわれています。
ただし以前本当に冬まで持つか試して見ましたが、かなり涼しく湿気が少ない場所で保存してみたのですが実験した2個とも腐ってしまいました。あくまでも「それくらい長く持つ」ことのたとえであり、やはり夏に採れたものを夏~秋くらいの旬の時期に食べるのがおいしいと思います。


見た目は巨大な卵のような形で、鮮やかな緑色、表面はけっこう硬い皮で覆われています。
まあ見た目からして「夏」って感じですね。大きいほど高価ですが、あまり大きすぎても少人数では使い切れないので注意して下さい。


中は名前の通り「うり」系です。皮とはうってかわって柔らかいスポンジ状の実があって、芯には種が詰まっています。


まずある程度の大きさに切ったら種を取り除きます。私は大きなスプーンでざっと種をえぐり、残った種の部分をスプーンの端を使ってこそぎとるようにして取り除きます。種を取った部分が、デコボコでなくなめらかな形状になるように種を取り除くのがポイントです。そうしないと煮物にする際に見栄えも口当たりも良くありません。

なお「くず煮」は古くからある伝統料理法で、煮汁にとろみをつけて具材とからめるのですが、葛粉は高価なため、家庭では片栗粉を使うと良いでしょう。

1 とうがん300gの種を取り、乱切りにする。
2 米のとぎ汁3カップ(600ml)で1を下ゆでする。
浮いてきた泡はアクなのでこまめに取り除く。
3 別の鍋で昆布だし1カップ、酒大さじ2,みりん大さじ1,塩小さじ1/2を
ひと煮立ちさせ、おろししょうが小さじ2を加えてよく混ぜる。
4 沸騰した3の鍋に、片栗粉小さじ2を水大さじ1で溶いて少しづつ混ぜながら
加え、1分ほど混ぜて火を止める。
5 2のとうがんをそっとザルにあげ、お湯ですすいで4の鍋に入れ、よく混ぜる。
6 みょうが20gを輪切りにして多めの水に漬ける。
7 5をうつわに盛り付け、6を載せる。

米のとぎ汁で下ゆですることで、皮に近い緑の部分が鮮やかに発色し、柔らかく煮上がります。
それを昆布だしベースの生姜とろみ汁でからめれば、夏向きの涼しげで見た目も爽やかな一品のできあがりです。

皮をむく際、緑の部分をうっすらと残すようにむくのがコツです。皮は硬いので切れない包丁だと危険です。その場合はピーラーを使った方がいいかもしれません。

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