マダケの煮物

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典座ネットブログ2008.7.29の記事

当ブログ7月3日の記事で、「旬の食材っていうけれど」と題して、ひとくちに「旬」といっても、現在の多様な食材事情を理解しなければ本当の意味で旬を理解することはできない、という主旨の文を書きました。

今日はそれに関連した一例をご紹介します。

いま当寺の裏山では、竹の子が「旬」を迎えています。
「え!竹の子って、春が旬じゃないの?今頃竹の子??」と驚く方もいるかもしれません。しかし写真を見ればわかるように、まさにこの時期、文字通り「雨後の竹の子」とばかりにニョキニョキと生えています。

裏山のマダケ

写真を見て、観察力のある方は気づいたかもしれません。
そうです、いわゆる普通の?「竹の子」よりも細いのです。

これは「真竹(まだけ)」と呼ばれる種類の竹の子です。春に旬を迎える、太くてコロッとした、一般的にも有名な竹の子は「孟宗竹(もうそうちく)」という品種で、同じ「マダケ属」に属しますが、種類が違うのです。まあ、知っている人には当たり前の知識なんですが、けっこう知らなかった人も多いのではないでしょうか。

真竹も孟宗竹もそれぞれ特徴があり、旬の時期も違います。もちろん、品種だけの問題ではなく、地域や気候によっても旬は変わるのです。
そのあたりを良く研究して、その時一番おいしい食材はなんなのかというアンテナを常に張っていないと、典座和尚はつとまりません。一番怖いのが、「竹の子の旬は春だ」という思いこみです。柔軟なセンスを持つ必要があるのです。

まあ、そうはいっても、たくさんある食材の旬を全て把握するのはとっても難しいことです。私もまだまだ修行を積む必要がありそうです。食材の研究をするのは楽しい修行ですけどね。

マダケザル盛り

さて、この「真竹」ですが、あっという間に伸びるため、毎日裏山に行って採ってこないといけません。3日も空けたら、もう2メートルくらいの硬い竹になってしまい、食べることができなくなり、しかも折るのも大変。ほっておいたら裏山が竹やぶで埋まってしまうでしょう。
皮は、産毛が生えている孟宗竹と違って、産毛はなく、紙のような薄さと柔軟性があり、また色彩も美しいため、古来工芸品やおにぎりやお弁当などの包みなどに利用されてきました。子供の頃版画をやったとき、炭をつけた木版に紙を押しつけるときに使う「ばれん」って使いませんでしたか?あのばれんの表面が真竹の皮です。「ああ、そういえばそうだったなあ」と思う方も多いでしょう。

また、食べるだけでなく、竹は昔から私たちの暮らしを支えてきました。
昔話かぐや姫に「竹取の翁」が出てくるように、古来専門職がいたのでしょう。
釣り竿、ものさし、傘や扇子の骨、竹カゴや竹ザルなどの繊細なものから、物干し棒や建物の柱まで、今でも竹にはずいぶんお世話になっています。
また涼を呼ぶ風情があるため、お盆の飾りや流しそうめんの水路まで、暑い夏には欠かせません。これからもこの竹林を大切にしていかなくてはいけないと思います。

真竹の煮物

ところで、とれたてのマダケを煮物にして食べると最高です。
孟宗竹と違い、細くて食べる部分が少なく、身が欠けやすいので切り分けに注意します。とれたてなのであく抜きは不要、すぐに煮上がります。
通はマダケの方がおいしいと言いますが、私もどちらかといえばマダケの方が食感が良いと思います。

1 皮をむいたマダケ400g、薄揚2枚を食べやすい大きさに切る。
2 鍋に水400ml、酒50ml、みりん30ml、昆布15gと1の具を入れて
弱火で煮る。10分ほど煮たらしょうゆ20ml、塩少々を加え、
さらに5分ほど煮て、火を止めてしばらくなじませる。
3 煮汁ごと盛りつけ、木の芽少々をまぶす。

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