栗の赤飯

スポンサード リンク




典座ネットブログ2010.9.18の記事

いよいよ明日は「NHK-FM トーキングウィズ松尾堂」放送日です。
番組中、スタジオでお出しした「十五夜のお月見 観月精進料理」について詳しく解説します。

皆さんは最近「お月見」をしてますか?
都会の空ではなかなか月を見ることが難しい場合もあるため、しばらく月見なんかしてないなあ、という人も多いかも知れません。実際、春の「お花見」は盛大に行われる場合が多いですが、秋のお月見はそれほど盛り上がらない比較的地味な行事かもしれませんね。

しかしわが国では一説には縄文時代からすでに行われていたともいわれ、少なくとも平安時代には祭事として貴族たちのあいだで優雅にお月見が行われていたそうです。

うちの寺ではもう私が子供の頃からずっと、秋には月見の儀式が行われています。
十五夜の晩には月が窓から見える板の間に祭壇を設け、ススキの穂を花ビンに挿し、月見団子を三宝にお供えし、また収穫された野菜などをザルに並べて祭壇に供え、豊作と健康を祈りながら月を愛でるのです。

十五夜には里芋や薩摩芋など、芋をお供えする習慣があるため、別名「芋名月」とも呼ばれます。
当地ではまだこの時期里芋は早いので、カボチャや大根、ジャガイモ、胡瓜、ミョウガ、枝豆など畑で取れた収穫物を供えます。

お花見のようにワイワイガヤガヤと騒ぐのではなく、月を眺めながら心静かに、コオロギや鈴虫などの虫の音を聞きながら、秋の風情を楽しみ、そして毎日の平和や自然の恵みに感謝するお月見は、ちょっとしたオトナの行事といえるかもしれません。

さてそんなお月見で欠かせないのがお月見の膳です。
地域によっては月にお酒をお供えしてご相伴にあずかるのだとか。
確かに名月を眺めながら一献傾けるのも日本人ならではの風流な慣習ですね。

今回の観月精進料理は「芋名月」にちなみ、里芋、薩摩芋、甘いカボチャなどを使い、また満月にちなんで丸い形の料理を揃えました。
スタジオでお出しするにあたり、調理場の制限などに苦労したため少々変則的な内容ではありますが、なんとか精進料理の正式な客膳形式の一つである「一汁三菜」形式に調えることができました。

○栗赤飯 十五夜を祝う赤飯に、秋の恵みである栗ときのこ類を加えました。

・小豆(ささげ)を水に漬けて戻し、昆布ダシで柔らかく炊きます。
・餅米を軽く研ぎ、研いだ普通の米と半々になるように混ぜ、
小豆とその煮汁を半分ほど加えて水加減をします。
・しめじ、舞茸、青ぎんなん、栗、塩を加えて炊飯します。
・餅米100%で作るときは蒸した方がうまく仕上がります。

スポンサーリンク
スポンサー リンク
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサーリンク
スポンサー リンク
Translate »